新型コロナの水際対策として、これまで原則、入国を認められなかった技能実習生について、政府は今週から入国を認めるようになりました。現場からは期待の声が上がっていますが、人手不足の解決はまだ先になりそうな雲行きです。
藤枝市のイチゴ農園「ジャパン・ベリー」はクリスマスシーズンに向けて収穫と出荷が本格化しています。こちらの農園で貴重な戦力となっているのが、外国人の技能実習生です。
<ベトナムからの技能実習生>「きらぴ香のパック詰めです。(仕事は)慣れました。大好きです」
ただ、イチゴ農園を支える技能実習生にも新型コロナが大きな影を落としています。 <ジャパン・ベリー 上山優代表>「我々のところは12人くらい人が欲しいんですけど、コロナの影響で早く帰国しちゃった人もいるし、入れない方も3人いる」
本来なら、こちらの農園では2021年7月に4人の技能実習生を受け入れる予定でしたが、コロナの影響で政府は、原則、技能実習生の入国を禁止に。人手不足が続いてきました。そして、政府が強化してきた「水際対策」が今週ようやく緩和されました。 <田村真子アナウンサー>「きょうから水際対策が大幅に緩和され、到着した人たちが続々と出てきています」
政府は今週から入国制限を緩和し、外国人留学生や技能実習生などの入国を再開しました。しかし、県内の現場の感触ではすぐに人手不足の解消につながるわけではなさそうです。
<ジャパン・ベリー 上山優代表>「かなりの人が待機しているので、私のところに回ってくるのが1~1カ月半遅れている状況。緩和されて大変期待しているが、実際に入ってくるのは1月下旬か2月上旬になる」
上山さんは中国からの技能実習生3人を12月、受け入れたいと希望していました。しかし、同様に技能実習生を希望する企業が多く、入国できる人数は日本人を含め、1日3500人に制限されているため、今回は手続きが後回しになりました。本格化する収穫シーズンを今いるメンバーで乗り切るしかありません。
<中国からの技能実習生>「ちょっと大変、仕事。今年、後輩が来れればみんな楽になる」 新型コロナの感染が再拡大すれば入国制限は厳しくなる可能性もあり、外国人労働者頼みの現場は苦戦が続く恐れがあります。
静岡放送(SBS)